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ダイソー等のアクリル絵の具は安全なのでしょうか?
私は学生時代に扱ったことがありませんが、近年では中学校などでも使用したり、
また、DIYや趣味やリメイクなどでも身近になってきました。
幼い子の周囲でも扱う機会があるかもしれません。
そこで、ダイソー等のアクリル絵の具は安全なのでしょうか?
毒性について調べてみました。
目次
1.ダイソーのアクリル絵の具・毒性について安全基準の指標は?
1.1 安全認証マークを確認する
安全認証マークには、日本の玩具安全基準STマークや欧州のCEマーク、
アメリカ合衆国のAPマークCPマークなどがあります。
ダイソーのアクリル絵の具は、中国製や韓国製で
安全性を示すマークは見られません。
また、ホームページにも表記は見られません。


(上:ダイソーのアクリル絵の具)
ちなみに、プロ用のリキテックス社(ホルベイン社も同様)の製品には
個別に(写真のように)認証マークや警告表示が表記されています。
例1:左は安全基準を満たすマークあり。(APマーク)
例2:右は”セレンおよびカドミウム化合物を含む”とし、有毒性ありの警告表示あり。
1.2 対象年齢の確認
絵の具や玩具には、対象年齢〇歳以上とか、
〇歳未満使用禁止等の表記がある物もありますが、
赤ちゃんの手形・足形をとりたい時や、フィンガーペイントをしたい場合は、
アクリル絵の具ではなく、
専用の“なめても安全”という表記のあるものを使いましょう。
※ダイソーのアクリル絵の具には何も書かれていません。
幼児は何でも口に持っていくので、ペイント中もそうですが、保管場所にも注意が必要です。

顔料によってはカドミウムや鉛などが含まれている場合もあり、皮膚に付いた時、皮膚から吸収される危険にも注意が必要です
2.ダイソーのアクリル絵の具に毒性のある原料は含まれている?
毒性の有る無しを調べるには、成分を確認する必要があります。
しかし、ダイソーのアクリル絵の具の材質には、
“乳剤”と“顔料” (物によって“水”も記載あり)としか記載がありません。
大まかに言うと、一般にアクリル絵の具は
“顔料”や“染料”に、“アクリル樹脂”を混ぜて色を定着させています。
油絵具は“速乾性油”
水彩絵の具は“アラビアゴム”
日本画の絵の具は“膠(にかわ)”
テンペラ画の絵の具は“卵” を混ぜて色を定着させています。
2.1 まずはアクリル絵の具の所以たる“アクリル樹脂”について
ダイソーの製品にはアクリル樹脂については“乳剤”としか表記されていないので
正確に何を原料としているのか分かりません。
そこで、一般的なアクリル樹脂について調べました。
まず、アクリル樹脂とは、プラスチックの一種であり、
一般にはアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等の重合体です。
塗料や接着剤、固形素材等として幅広い分野で使われています。
また、有機溶剤やアルコール類には弱い性質があります。
2.2 アクリル樹脂の注意喚起と安全対策について
厚生労働省(職場のあんぜんサイト)による、原料であるアクリル酸エチルについて(抜粋)
【アクリル酸エチル】
引火性の高い液体及び蒸気 飲み込むと有害(経口) 水生生物に毒性
皮膚に接触すると有害(経皮)
吸入すると有毒(蒸気)
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
重篤な眼の損傷
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれの疑い
神経系の障害
呼吸器への刺激のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
長期又は反復ばく露による神経系、呼吸器の障害
【安全対策】
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。静電気放電や火花による引火を防止すること。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣を作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
衣類にかかった場合、直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、取り除くこと。
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
眼に入った場合、直ちに医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合、直ちに医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激又は発疹がおきた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
【予想される急性症状及び遅発性症状】
皮膚に付着した場合:発赤、痛み。
眼に入った場合:発赤、痛み、かすみ眼。
経口摂取:腹痛、下痢、吐き気、嘔吐。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 火気に注意する。呼吸用保護具を着用する。
医師に対する特別注意事項: 安静に保ち、医学的な経過観察が不可欠である。
等の注意喚起があります。
どのくらいの使用量で影響が出るのか不明ですが、
使われていると仮定して
起りうる危険を認識した上で事前に対策し、安全に留意して使用するのが良いでしょう
また、体調に不調が見られたときは、迷わず医師に相談しましょう

2.2 “顔料”や“染料”について
顔料は、鉱物や土などを細かく粉砕したものや、金属などを加工して人工的に作られたものがあります。
染料は、顔料よりも粒子が小さく水に溶け、繊維などに染み込んで染まります。
植物やカイガラムシなどから採取されます。
問題は、このうちの顔料に毒性のあるものが有るのです。


逆に名前に付いていても、今ではメーカーが工夫して毒性のものが含まれないようになっている物もあるの。
だから名前が付いているからと言って、全てに毒性があるとも言えないんだけどね(ややこしい!)
リキテックス社やホルベイン社で注意喚起を表示している顔料は、下記のような物があります。(抜粋)
・シルバーホワイト …鉛白
・カドミウムレッド等(他にカドミウム○○と付くもの)
…セレン・カドミウム化合物
・コバルトバイオレッド…コバルト
・コバルトブルー …安全確認ができないためなのか?認証マークの記載無し。
これらが、ダイソーのアクリル絵の具に含まれているのかは確認できません。
成分が確認ができない物は、安全性が確認できないということです。
入っている可能性があるものとして、対策を講じて使用するようにしましょう。
3. アクリル絵の具の毒性は?ダイソーのアクリル絵の具は大丈夫? の結論
3.1 結論
ダイソーのアクリル絵の具は中国や韓国で製造されており、
材質について細かい記載がありません。
成分がわからない以上、安全だとは言い切れません。
今回は、プロ用のアクリル絵の具を参考に、含まれる可能性のある成分を調べました。
取り扱いには他社製と同様、注意が必要であると言えます。


3.2 対策
信頼できる主要メーカーの注意事項をまとめると、次のような対策が考えられます。
購入時
赤ちゃんの手形・足形をとりたい時や、フィンガーペイントをしたい場合は、
アクリル絵の具ではなく、専用の“なめても安全”という表記のある物を買いましょう。
購入前にメーカーのホームページなどで確認して下さい。
使用前の準備
・作業スペースは広く確保し、新聞紙などで周囲が汚れないように敷く。
・汚れをすぐに拭けるよう、雑巾やキッチンペーパー、水を用意する。
・換気をよくする。
作業中の注意
・なるべくビニール手袋などをして、肌に付けないよう防護する。
(顔料が皮膚から浸透することがあります)
・特にスプレーなどを使用する際は、換気に気をつけ、マスクもする。
・絵の具が手に付いた時は、雑巾などで拭きとり、流水で洗い流す。
・アクリル絵の具は初めから大量に出さず、必要な量を追加しながら出すようにする。
・筆を舐めたりせず、必ず容器に入れた水を使う。
・作業スペースで飲食する時は、絵の具や水が入らないように片付け、よく手を洗う。
作業後
・手や道具に付いた絵の具は、濡らしたキッチンペーパーなどで拭き取ってから、
流水で洗う。(水質環境への影響があります)
・作品は換気の良いところで、よく乾燥させる。
(又は、換気を十分にしながらドライヤーで乾かす)
・絵の具のキャップは口を良く拭き、きちんと閉め、子どもの手の届かない所で保管
すること。
などです。
万が一、体内に入ってしまった時や気分が悪い時は、
直ちに医師の診断、手当てを受けましょう。
アクリル絵の具は幅広い用途で楽しめる、とても便利な画材です!
以上のような対策を講じてから、楽しく使いましょう!





