01251023
目次
【はじめに】
アクリル絵の具は、今やダイソーなど100均ショップでも手に入るので手軽に始められます。また、発色が良くて多彩な表現ができるとても優れた画材ですね。ただ、気を付けなければならない注意点がいくつかあります。
こちらの記事では
『Tシャツなどの布地にアクリル絵の具で描けば落ちないか?』
『衣服などに付いてしまったアクリル絵の具を落とす方法は?』
という相対する2つの疑問と
『アクリル絵の具で使った道具の手入れは?』
にお答えしていこうと思います。
【Tシャツなどの布地にダイソーでも買えるアクリル絵の具で描けば落ちないか?】を解説
1.アクリル絵の具の特性
アクリル絵の具は初めは水性で水で薄めたりできますが、乾燥するとアクリル樹脂が膜状になることで耐水性になります。
Q.では、布に描いたら落ちないか?
A.はい、コツを押さえれば定着します。
折角制作したのに落ちてしまったらガッカリですよね。問題は、何も対策をしないと色落ちする場合があるということです。
作品を長持ちさせるためのコツを解説します。
2.アクリル絵の具の布地に描く時のコツ
①色落ちの原因
色落ちの原因には
・布などの繊維への定着不足
・洗濯や摩擦
・紫外線による退色
などがあげられます。
②定着させるコツ
・おろしたての布地の場合、余分な油分や汚れを落としたり縮み防ぐために、初めに洗濯をしてしっかり乾燥させておきます。
・布用メディウム(柔らかい仕上がり)やファブリックメディウム(定着力が強い)という添加剤をアクリル絵の具に混ぜることで布地に染み込み易くなり、洗濯にも強くなります(木材や金属、プラスチック等に使用する時も下地剤やメディウムが必要です)
・厚塗りをすると剝がれやすくなるので、薄塗りをして色が透ける場合は、乾燥させてから重ね塗りをします(ドライヤーで乾燥させると早くて便利です)布目に入るようトントンと叩くように塗ると定着しやすくなります。
・描いた後は十分に乾燥させます。
・裏からアイロン(中温)でプレスすると更に強度が上がります。描いた面には当て布を。
・洗濯する際は、描いた面を裏にしてネットに入れて洗いましょう。
③更に長持ちさせたい場合
100均で売られているアクリル絵の具ではなく、プロ用のアクリル絵の具を使用しましょう。色の成分がインク系か顔料かという根本的な違いがあるためです。
【落ちない!?ダイソーでも買えるアクリル絵の具が衣服に付いてしまった時、落とす方法は?】を解説
ふと気づいたら衣服に付いていてびっくりすることもありますね。すぐに気がつけば水を付けて拭き取ったり洗ったり出来ますが、
時間がたって乾いてしまったらなかなか落ちません「さっきまで描くときは水で薄めたり出来たのに、何で落ちないの?!」
それは、アクリル絵の具の利点でもあり欠点でもあります。油絵の具などに比べて乾くのが早いので、もし衣服など布に付いてしまった場合、時間との闘いです。既に時間がたってしまった場合はなかなか落ちません。
では、もし衣服など布に付いてしまったら・・・いくつかご紹介しますが、生地を傷めないよう無理せず、段階ごとにお試しください。また、化学繊維やプリント生地は傷めやすく色落ちや溶ける場合があるので、換気に注意しながら目立たない部分で試してから行ってください。
1.落ちない!?アクリル絵の具が乾く前の落とし方
①付いてしまった直後なら水で簡単に落とせます
乾く前のアクリル絵の具は水に溶けやすいので、水で洗い流すのが一番簡単です。雑巾やスポンジなどで摘み取るようにして水で洗います。また、ぬるま湯を使うと、より落ちやすくなります。布を傷めないようやさしくもみ洗いします。また周囲に広がらないよう、乾燥する前にすぐに洗濯しましょう。
②石鹸や台所用中性洗剤で落とす方法
水だけで落ちない時は、ぬるま湯に付けた後、石鹸や台所用中性洗剤を付けて歯ブラシなどでやさしく叩き洗いを。こすると布地を傷めてしまうので気をつけましょう。
2.落ちない!?アクリル絵の具が乾いてしまった後の落とし方
①まずは
塊になっていたら、乾いた絵の具をヘラなどで取れそうな部分は削ぎ取る。(無理にやると布を傷めるので注意)
②消毒用エタノール(アルコール系)で落とす方法
雑巾などを表面に当てて、裏から消毒用エタノールを含ませた布でトントン叩きながら絵の具を雑巾に移します。その後、すぐに洗濯してください。
③洗濯用洗剤と洗濯用酸素系漂白剤で落とす方法
ぬるま湯に洗濯用洗剤を入れてもみ洗い。その後、別のぬるま湯に洗濯用の酸素系漂白剤を入れて30分~1時間程つけ置き。軽くもみ洗いした後、すぐに洗濯してください。
④ネイルリムーバー(除光液)やクレンジングオイルで落とす方法
綿棒やキッチンペーパーなどにネイルリムーバーやクレンジングオイルを含ませて少しずつトントン叩いて馴染ませます。頑固な時は更に歯ブラシなどで掻き出すように取り除くのがポイントです。その後、よく洗い流してからすぐに洗濯してください。
私はこのネイルリムーバー(除光液)+歯ブラシで落としています。少しずつ根気よく掻き出すことでだいぶ落とせると思います。
【落ちない!?ダイソーでも買えるアクリル絵の具で使った道具の手入れは?】
①筆
水を溜めた容器でトントン叩くように根元の汚れを落とし、更に流水でよく洗い流し、よく乾燥させます。この時アクリル絵の具が残っていると、固着して次回使えません。また、作業中も乾かないよう、洗うまでは水を溜めた容器に入れておきます。
②パレット
作業中に乾燥して落ちなくなることが多いので、使い捨ての紙パレットがお勧めです。少量なら牛乳パックを開いて使うことも出来ます。
③水バケツ
乾燥した部分は落ちなくなるので、マメに洗うか、私は大きなヨーグルトの容器(倒れにくい形のもの)を活用しています。
【まとめ】
アクリル絵の具は発色が良く、初心者でもダイソーなどで安価に始められる利点の多い画材です。水彩風にも油絵風にも、また立体感を出した表現も出来るので、私が一番お勧めする画材です。特性を理解してメディウムを活用するなどコツをつかめば、作品の幅がグッと広がるので是非いろいろ楽しんでほしいと思います。
ただ、アクリル絵の具は発色が良いだけに、制服のような布地に付くと目立ってしまいショックですよね。
一度乾いてしまうと非常に落ちにくいので、アクリル絵の具を使用する前には、エプロンや汚れても構わない服装で、周囲に新聞紙など敷いて使用しましょう。
落とす方法をいくつかご紹介しましたが、くれぐれも布地を傷めないよう無理せず、段階ごとに何度かお試しください。また、化学繊維やプリント生地は傷めやすく色落ちや溶ける場合があるので、換気しながら目立たない部分で試してから行ってください。


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